2018.04.05
これを読めば「安心R住宅」がわかる！
・「安心R住宅」とは？
最近ニュースにもなっていた「安心R住宅」制度の導入。一体どんな目的で作られたかというと、既存住宅の流通を促進すべく、国土交通省の告示によって創設された制度です。中古住宅にありがちなマイナスイメージを払拭し、安心して中古を購入できるように、いわば国が中古物件にお墨付きを出す仕組みで、4月1日から流通開始となりました。
・「安心R住宅」の認知度は？
全体での認知度は2割弱で若年層ほど認知度が高く、年代別に分析すると20代が最多、40代が最小でした。若年層のほうが中古住宅への関心が高い、もしくはネットニュースなどで知った人が多いのかもしれません。
全体：18.9％
20代：31.3％
30代：24.1％
40代：11.6％
50代：12.7％
60代：14.3％
・やっぱり根強い中古物件への不安、その理由は？
中古物件のマイナスイメージは驚きの８割超えでした。欧米では中古住宅の流通がメインですが、日本では新築が圧倒的に人気と言われています。そして日本の中古住宅はネガティブな印象を持たれやすいことがこの調査結果にもダイレクトに出ていますね。
全般に「なんとなく不安」という回答が多く、具体的な理由よりイメージが先行している可能性が示唆される結果でした。
・物件への「不安・汚い・わからない」イメージ
新築物件：32.6％
中古物件：80.9％
「不安」な理由
・事故物件ではないか
・どんな人が住んでいたか
・どう使っていたか分からない
・見えない不具合がありそう
「汚い」と思った理由
・知らない人が使っていた家だから
・水回りの清潔感が気になる
・経年劣化やかびがあるなどの回答がありました。
「わからない」理由
・評価基準や価格の適正性
・購入者に不利な情報が隠されていないか
・安ければ中古物件を選択するのか？
新築と中古で条件が似ている場合、価格がいくら安ければ中古物件を選択するか築年数別で調べました。
マンションでは築5年で500万円、築10～20年は1,000万円、築30年では2,000万円が最多となりました。
戸建てでは築5年～築20年までが1,000万円、築30年で1,500万円が最多で、築5年と築30年の差が1,500万円あったマンションに比べ、500万円にとどめられるなど、物件値下げ幅が小さくなる傾向がみられています。
また、購入者の年齢が高くなるほど、物件種別や築年数にかかわらず「中古物件は選ばない」傾向にありました。
【マンション】
築5年：500万円
築10年：1,000万円
築20年：1,000万円
築30年：2,000万円
【戸建て】
築5年：1,000万円
築10年：1,000万円
築20年：1,000万円
築30年：1,500万円
・物件購入時に気になるポイント
新築・中古に関わらず「耐震性」は要となるポイントでした。一方、中古では「内装の傷・汚れ」が気になるポイントに挙がっており、昨今のリフォーム・リノベーション済み物件が人気な理由もここにあると思われます。
【新築】
1位 耐震性：約6割
2位 保障・アフターサービス：48.0％
【中古】
1位 耐震性：約6割
2位 内装の傷・汚れ：57.2％
3位 設備の状態：51.3％
・耐震性への不安
耐震性に不安を感じる人は「中古マンション」では71.5％、「中古戸建て」で71.3％と、新築の2倍近い7割強の人が不安としていました。年代が上がるにつれて不安を感じる人が増加、50代以上では約8割にのぼっています。
築何年で不安と感じるかについては、戸建て・マンションとも「築10年」で約3割、築3年未満～築20年で6割を突破しています。新耐震基準導入は1981年ですから、築20年以内であれば導入以降の物件ですが、多くの購入検討者にとっては不安の対象になっていることがうかがわれました。
新築マンション：36.7％
新築戸建て：38.1％
中古マンション：71.5％
中古戸建て：71.3％
・中古物件紹介サイトで必要な情報
「構造・防災」がトップで、「設備・仕様」が2位、「間取り」が3位でした。20代～30代の若年層の４割はデザイン関連の情報を求めるのに対し、40代以上では3割弱とやや減る傾向がみられます。物件建設時のコンセプトは約半数の人が気にすると回答、中古物件でも4割程度の人が気にするとしていました。
構造・防災：66.3％
設備・仕様：62.9％
間取り：58.3％
【参照プレスリリース】
株式会社ホームステージング・ジャパンによるプレスリリース（PR TIMES）
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000028095.html